家制度については第15回の「戸籍について 4」をご参照の上、今回をご覧下さい。
昭和22年の日本国憲法の施行まで、戸主は家の中では、絶対的な権力を持っていました。戸主の地位は、戸主の財産権とともに家督相続という制度により承継され、新戸主への単独相続であることが、現在の民法と大きく異なります。多く見られるのが、長男が家督相続するケースです。
しかしながら、相続人以外の家族が、自分の意志に基づいて「分家」として、新たに家を設立することができました。(分家する際は、戸主の同意を必要としておりました。)
この家には、分家する者の妻(夫婦同籍)とその子供たちといった直系卑属が新たに設立された家に入ることができました。(また分家する前に属した家を本家といいます。)
その他、家が新たに設立されるものには、ここでは詳しくは触れませんが、分家以外にも法律の規定により設立された「一家創立」というものがあります。
次に現在の感覚ではピンとこない「廃絶家再興」についてです。
ここでいう廃家とは、戸主が婚姻や養子縁組等により別の家に入るために、元の家を消滅させることをいいますが、家督相続により戸主になった者が廃家する場合は裁判所の許可を必要としていました。
また絶家とは、戸主の死亡等により、家督相続が開始されたものの家督相続人となる者がいないために、家が消滅することをいいます。
しかしながら廃絶家の親族といった縁故者が、家系の維持や祭祀相続等の理由により廃絶家を再興することができました。
いろいろな法律の規定はあるのですが、ひとつの例としては、再興しようとする者が、戸主の同意を得て、廃絶家の再興を市町村長に届け出ることにより、本家、分家、その他親族の家を再興する例が一般的でしょう。
また再興した者は、その家の戸主となり廃絶家の氏を称することとなるのですが、廃絶家前の財産等の各種権利を引き継ぐということはありません。
今回は「家の設立」について、3つある形態で取り上げてみましたがいかがだったでしょうか。個々、私が代表的だと思われる例について書きましたが、このブログでは、上記にあります「当時の法律の規定」を網羅しているわけではございませんので、その点はご了承ください。
本年もどうもありがとうございました。よいお年をお迎えください。

